第三章 「困難にぶち当たった時に、」
◇◇ 人の温かさ ◇◇
9月に入り、ラジオでは、13・14日先行販売4種類セットでの予約受付開始の案内が流れ始めた・・・・。しかし、最後の一つがどうしても決まらない。
でも、もう、時間がない・・・・・。
あるパーソナリティーさんからの一言で、私たちは加速した。
私は、この企画を聞いた時、正直言ってイヤだったのよ。
「なんで、そんな企画、勝手に決めてきて・・・。営業の為に、なんで名前を売らなくちゃなの!」「どこのパン屋さんなの?」
でも、ら・さんたさんと会ってみたら、みんな一生懸命で、真心がある人達ばかりで・・・・・。そして、社長さんを見て、すごく安心して・・・・。ほんといい人達だから、協力しょうと思ったのよ。
だから、最後までがんばってね。私も出来るだけ協力させていただきますから・・・。 (このメールに涙・・・)
|
嬉しかった。本当に、本当に・・・・・。「最終的に、食べて納得してもらえるものを絶対に作る!」そう決めてから、パーソナリティさん、職人さん、そして、ラジオ福島の皆さんと一緒になってやってきて、本当によかった。
そして、この企画を進めていく中で、人の温かさ、優しさを沢山感じることが出来ました。なかなか、パンが見えてこない私達のあせりを感じ取って、番組アナウンサーの鏡田さんは、いつも私達が話しやすい雰囲気を作ってくださいました。もう1人番組を担当している深野アナウンサーには、度々試食をしていただき、本当に沢山のヒントを頂きました。また、時々飛び入り参加して頂いた大和田アナウンサーには、「ら・さんたさんなら、こちらのパンを出した方がいいよ。」と健康を考えた食に対してのアドバイスも頂きました。企画担当の蓬田さんは、とにかく私達の仕事が進みやすいように、色々と考えて下さいました。また、ら・さんたスタッフからは、「試食は、任して!」と励まされ、勇気をもらった鈴木由美子でした。
絶対!いいものを作って、リスナーさん、パーソナリティーさん、ラジオ福島さん、ら・さんたのお客様、ら・さんたのスタッフ、今迄、お世話になった沢山の皆様に喜んで頂けるものを作る!それが、私達ができる恩返しだ。
◇◇ 遂に、完成 ◇◇
遂に、完成だ!
火曜日パーソナリティの演歌歌手、紅(くれない)
晴美さんのパンは、紅さんの大好きな紫色、そして、おめでたいパン、紅白に出場して欲しい!との願いも込めて、生地の色は、白と紅麹で色付けした紅色の二種類。中身の餡は、体にいい黒豆あん。繊維質を残すために丸ごとすりつぶしたあんを使用。もう1つは、 紫いものこしあんを入れ、健康を意識したパンに仕上げました。蒸パンなのに、冷めても美味しい工夫をし、更に、 生地の塩分と中のあんのバランスが最高の出来上がり。(温めると、さらにおいしい。)
「ほらでたぁ!紅白パン」
2個入り 472円税込 |
今でも忘れません。紅さんが、飛び上がって喜んでくれた“紫いもあん“。スタジオの中で美味しくて美味しくて嬉しさのあまり、抱き合う?場面も、・・・。すごく喜んでもらえた。(感動)こんなに喜んでもらえたのは、久々ですね。本当に作ってよかったと感じた瞬間場面でした。
木曜日パーソナリティの菊地恵美子さんのパンは、それぞれのこだわりの素材を味わって欲しい食事タイプのパン。小麦は、普通の小麦の約三倍の食物繊維質の入った国産小麦使用。塩は、昔ながらの製法で作った伊豆大島の「海の精」を使用。砂糖は、北海道のビート糖使用。酵母は、海洋酵母使用。
ほほえみパンハイチーズ
472円税込 |
今でも忘れません。菊地さんの食へのこだわり。とても、熱心に考えてくださり、材料から、形、味を変え、何度も何度も試作を繰り返し完成した。商品名も菊地さんのあの笑顔と名前から「ほほえみパン はいチーズ」と名づけました。
すごく思いが込められたパンです。(感動)
金曜日パーソナリティの普天間かおりさんのパンは、生地に、蔵王ヨーグルトと卵をたっぷり使用した贅沢なオーガニック小麦生地。白い貝殻をイメージして、コロネタイプにし、表面は、ホワイトチョコを網の目のようにコーティングしました。中には、パイン、ピーチ、マンゴーなどのトロピカルクリーム入り。
「真南風(マフェー)のかおり」
3個入525円税込 |
今でも忘れません。普天間さんが言って下さった言葉で、「ら・さんたさんのパンは、どれを食べても美味しかったので、きっと、美味しいものを作ってくれると安心していますよ。」試作を何度も繰り返している時の言葉ですから、勇気を頂きました。それと、「もっと沖縄のイメージ・貝殻のイメージがでたらいいね・・。」と言って頂いたおかげで、表面にホワイトチョコをコーティングすることになり、白い貝殻のイメージが、更にアップしました。
◇◇ ありがとう ◇◇
9月13日14日のラジオ福島“こどもまつり“での先行販売には、発売を心待ちにして下さっていた沢山の方々に、お越しいただきました。ハッピーチエちゃん、普天間かおりさんからは、ら・さんたブースに応援のエールが届き感激。ラジオ福島さんの方々も売行きを心配して、何度も何度もお声を掛けて下さいました。おかげさまで、秋のイベントでは、最高の売上を達成することが出来ました。
9月20日社内にて、「かっとびパン物語」と題し、今までの打合せを記録したビデオを交えながら報告をしました。当日は、ラジオ福島企画の蓬田さんから、生のエピソードなどを話して頂き、会場の中からは、笑いや驚きの声が多く出ました。
スタッフ談
「こんなに一生懸命やっているとは、知らなかった。」
「試作を食べてはいましたが、こんなにもドラマがあったとは、・・」
「企画してくれて、ありがとう。」
スタッフからの、この「ありがとう。」の言葉に、私は、震えた。
なぜ、この材料を使ったのかなどをもっと詳しく伝えることによって、販売するスタッフさんにも、ひとつ1つのパンに対する思いが伝わり、今迄以上に、真心を込めてお客様のところへ商品をお届けできること。このことを改めて気付かされた。
心の中で、「ありがとう。」と・・。
次へ
|